前回おすすめした額、眉間、目尻のボトックス(ボツリヌストキシン)ですが、多汗症の治療にも使われます。
わきにボトックスを注射することによって、わきの汗を軽減することができます。
多汗症とは
ひとは体温調整のために汗をかきます。多汗症のかたは必要以上に汗を分泌してしまうのが特徴です。正常な範囲を超えた量の汗で日常生活に支障をきたすこともあります。
汗腺の種類
わきにはアポクリン汗腺とエクリン汗腺という2種類の汗腺があります。アポクリン汗腺はわきが、腋臭症の原因となる汗腺です。アポクリン汗腺が発達しており、その分泌量が多い場合、アポクリン汗腺から分泌された汗が細菌に分解されることによって、独特なにおいが発生します。アポクリン汗腺は手術で取り除くことができます。多汗症はエクリン汗腺が原因となります。エクリン汗腺の数はどのひとも同じだと言われています。多汗症のかたは一般のかたよりも多く分泌されてしまいます。エクリン汗腺は交感神経の働きによって活発になります。ストレスや緊張、ホルモンバランスや生活習慣の乱れなどが原因となって交感神経を過剰に働かせ、発汗を促してしまいます。エクリン汗腺は皮膚に直接開口しているため、手術で完全に除去することができません。
ボトックス(ボツリヌストキシン)の原理
普段ひとが汗をかくときの汗はエクリン汗腺から分泌されます。この汗を分泌するという信号をだしているのがアセチルコリンという物質です。ボツリヌストキシンはこのアセチルコリンの信号を抑制する作用があるため、汗の分泌を軽減することができます。
ボトックス(ボツリヌストキシン)の効果
ボツリヌストキシンは1度の施術で注入した部分の汗の分泌を抑えてくれます。注射するだけなので、ダウンタイム(腫れや内出血など)も少なく、日常生活に支障をきたしません。ボツリヌストキシンの効果は個人差はありますが、1度の施術で6ヶ月程度持続します。徐々に効果がきれてしまうので、効果を持続させるには繰り返しの施術が必要となります。
夏にはまだ早いですが、徐々に汗ばむ日も増えてきました。
わき汗が気になってきた方、わきボトックス、いかがですか?