隆鼻術のモニターさまの手術がありました。
鼻根部を高くする場合にはプロテーゼを挿入します。鼻先(鼻尖部)を高くする場合にはプロテーゼではなく、耳介軟骨(場合によっては肋軟骨)を利用します。プロテーゼで鼻尖部を高くすると後々プロテーゼが飛び出してくる可能性があるため、鼻尖部を高くする場合には自家組織の耳介軟骨を移植します。耳介軟骨を2~3段に積み重ねて、高さを出したい方向に耳介軟骨を固定します。耳介軟骨移植は丸みのある鼻先を尖らせることができます。
今回のモニターさまは鼻根部および鼻尖部ともに高くしたいとのことで、鼻根部にI型のプロテーゼを挿入し、鼻尖部に耳介軟骨を移植しました。プロテーゼと耳介軟骨移植の場合には片側の鼻の穴の中、鼻腔縁を切開するので傷跡は目立ちません。
隆鼻術(I型プロテーゼ)
鼻根部を高くする場合にI型のプロテーゼを使用して高さを出していきます。プロテーゼを挿入することによって、鼻根の高さがでて、鼻筋が通ります。ご希望の仕上がりに合わせて、鼻の立ち上がりの位置と高さを決めていきます。鼻のプロテーゼは左右どちらかの鼻の穴の中、鼻腔内を切開します。プロテーゼは骨上、骨膜下に挿入します。鼻の形はひとそれぞれ異なるため、形状に合わせてプロテーゼを細工していきます。実際にプロテーゼを挿入しながら、高さ・幅・長さを確認し、自然な形になるようプロテーゼを削っていきます。手術中に高さを確認することができます。鼻腔内を切開するので傷跡は外からは見えません。
鼻尖部耳介軟骨移植
鼻先、鼻尖部を高く、尖らせる場合に耳介軟骨を使用して高さを出していきます。ご自身の耳介軟骨を採取する必要があります。耳の裏側を切開して耳介軟骨を採取していきますので、傷跡は目立ちません。採取した耳介軟骨は2~3段に積み重ねて尖らせたい方向に固定していきます。耳介軟骨は鼻のプロテーゼと同様に鼻腔内より挿入するため、鼻のプロテーゼと同時に行なう場合には同じ切開線より挿入していきます。耳介軟骨移植は丸みのある鼻先を少し尖らせるといった手術なので、鼻先を大きく変化させたいかたの場合には鼻中隔延長や複合的な鼻尖部の手術が必要となります。
術前
術後1週間
術後1週間目の状態です。鼻先が尖り、鼻根部の高さもでました。
鼻のプロテーゼおよび耳介軟骨移植をした場合、術後3日間、鼻根部から鼻尖部にかけてテープ固定が必要となります。採取した耳介軟骨部分にも3日間の圧迫固定が必要となります。1週間後に鼻腔縁および耳介軟骨を採取するときに切開した耳の裏側の抜糸を行ないます。
術前と術後1ヶ月
術後1ヶ月目の状態です。腫れも落ち着き、プロテーゼの偏移もありません。鼻筋が通りました。
鼻中隔延長術や鼻の複合的な手術の場合には鼻柱切開、鼻の表面に傷跡ができますが、プロテーゼによる隆鼻術および鼻尖部耳介軟骨は鼻腔内切開なので傷跡が鼻の表面にできないのがメリットです。
今回行った手術名
隆鼻術(I型プロテーゼ)
通常価格 330,000円(税込)
鼻尖部への耳介軟骨移植
通常価格 440,000円(税込)
鼻尖部への耳介軟骨移植
モニター価格 220,000円(税込)
耳介軟骨のリスクと合併症
腫れ、内出血、痛み、軟骨が触れる、左右差、偏移、感染など
鼻プロテーゼのリスクと合併症
腫れ、内出血、痛み、プロテーゼがずれる可能性、プロテーゼがでてくる可能性、感染など