生食バッグ抜去のモニターです。
今回のモニターさまは19年前に他院にて生食バッグを腋窩より挿入しています。生食バッグの大きさは200ccで大胸筋下に挿入したとのことでした。
今まで大きなトラブルはなく経過していたとのことですが、「1ヶ月前より左胸の大きさが小さくなってきた」とのことで、ご相談にこられました。
術前
術前の状態です。診察上、腫れや赤みはなく感染徴候はありません。左右差があり、左胸の大きさが小さくなっています。
おそらく何らかの拍子で生食バッグが破損したと思われます。シリコンバッグの場合、破損しても中のジェルが吸収されることがないため、バストサイズが小さくなることはありません。生食バッグの場合にはバッグが破損すると中の生理食塩水が被膜内に広がり、被膜より水分が吸収されていきますので、バストサイズが小さくなります。
術前臥位
術前の横になった状態です。破損していると思われる左胸は横になった状態でも右胸と比べると高さがありません。
左胸のバッグを抜去しました。
抜去した左胸の生食バッグです。破損していました。通常生食バッグの中の生理食塩水の色は透明ですが茶褐色に変色していました。
抜去後は傷跡を丁寧に縫合していきます。
術後臥位
両側ともに抜去し終えました。
抜去した生食バッグ
抜去した生食バッグです。右胸は破損していなかったので変色もなくきれいな状態でした。
術後翌日
術後翌日の状態です。内出血もほとんどなく、痛みも自制内とのことでした。術後圧迫をしていたので赤みがでています。
術後3ヶ月目
術後3ヶ月目の状態です。19年間インプラントが入っていたため、その分ボリュームが減っています。
術後3ヶ月目の傷の状態
術後3ヶ月目の傷の状態です。傷はきれいに治っています。まだ色素沈着していますが、半年から1年経つとさらに目立たなくなっていきます。
今回行なった手術名
生食バッグ抜去(乳房下縁法)
通常価格 220,000円(税込)
モニター価格 110,000円(税込)
※生食バッグもご料金はシリコンバッグと同額となります。
生食バッグ抜去のリスクと合併症
腫れ、内出血、痛み、浸出液の貯留、傷跡、感染など