肝斑・しみ治療

しみの治療を始めるなら、ご自身のしみがどのしみなのかの鑑別が必要となります
しみは皮膚の表面にある表皮にメラニンが蓄積することによって現れます。原因、症状によってさまざまな種類があり、しみによって治療方法が異なります。老人性色素斑であればレーザー治療や光治療が有効ですが、肝斑では逆に悪化する可能性があります。

しみ治療をはじめるときには、しみの種類をしっかり見極めることがとても重要となります。

しみができるメカニズム

表皮は表皮細胞(ケラチノサイト)や色素細胞(メラノサイト)などからなり、厚さ0.1~0.3mmの4層に分かれています。一番下の基底層にあるメラノサイトが、しみの原因となるメラニンを作り出します。
しみができるメカニズム
1.紫外線を浴びると
紫外線を浴びるとメラノサイトに信号が送られ、メラノサイトはメラニンという色素を生成し、細胞内のメラノソームという小胞に蓄積されます。メラニンが充満したメラノソームはメラノサイトの先端からケラチノサイトに受け渡され、ここでメラニンが現れます。メラニンはケラチノサイト内に留まり、紫外線から細胞核を守る働きをします。

2.皮膚のターンオーバー
表皮の一番下の基底層にある表皮細胞が分裂して徐々に押し上げられていきます。最後は細胞核のない角質となって剥がれ落ちます。これがターンオーバーと呼ばれ、およそ28日のサイクルで行われます。紫外線を浴びて作られたメラニンも細胞とともに剥がれ落ちていくので、通常の日焼けであれば約1ヶ月後には消失します。

3.大量のメラニンの滞留がしみに
長期間や強い紫外線を浴びると、メラノサイトの数が増え、メラニンの生成は活発化します。一方、加齢や紫外線など、肌への過度の刺激やストレスなどによりターンオーバーが乱れると、新陳代謝が滞り、メラニンが滞留してしまいます。生成されても、なかなか消えていかないメラニンがしみの正体です。

しみの色、形状、位置が鑑別の大きなポイントとなります。

しみの診断の際、肝斑、雀卵斑(そぼかす)や老人性色素斑、あるいはADM(真皮メラノサイトーシス)との鑑別を行ないます。肝斑は、顔の両側に左右対称に発症するという特徴があり、目の下を縁取るように現れるケースがよくみられます。肝斑と判別しにくいのは対称性真皮メラノサイトーシスで、肝斑にADMが重なっているケースもあります。
しみ治療は、誤った治療を行なうと悪化させる可能性があるため、患者さまのしみがどのようなしみなのかの鑑別が重要となります。

肝斑

肝斑は、形状や広がる場所を目安に判別できる場合が多く、頬骨に沿って広がるのが最大の特徴といえます。左右対称に生じ、ときに額や口まわりに生じることもあります。境界が不明瞭で、くすんだようにみえます。
肝斑

適応となる治療
美白内服治療
イオン導入
レーザートーニング

老人性色素斑

平らで境界線がはっきりとしたしみです。中年以降に増えるしみで、基本的に左右対称ではありません。
老人性色素斑

適応となる治療
美白内服治療
ピーリング・イオン導入
フォトRF
Qスイッチヤグレーザー

雀卵斑(そばかす)

一般的にそばかすと呼ばれるもので、直径数ミリ以下の小さな丸いしみです。頬や鼻のまわりに多くでます。3歳頃から出始めて、思春期に特に目立つようになります。
雀卵斑

適応となる治療
ピーリング・イオン導入
フォトRF
Qスイッチヤグレーザー

ADM(真皮メラノサイトーシス)

左右対称にあり、頬や額などに小さく丸い色素沈着が散在的に生じたり、集まって生じることもあります。
頬のあたりに集まって生じた場合、左右対称のため、肝斑と見間違うケースがあります。季節によって色の濃さの変動が少ないです。
ADM(真皮メラノサイトーシス)

適応となる治療
Qスイッチヤグレーザー

美白内服治療

肝斑と診断された方はまず美白内服治療を行なっていきます。

肝斑とは
肝斑とは、しみの1つで、両頬、額などに左右対称に現れるのが特徴です。特に30代以降の女性に多くみられ、色は薄茶色です。
肝斑
肝斑の原因は明確にはわかっていませんが、紫外線による発症や妊娠・出産、更年期など女性ホルモンの乱れなどが関与しているとされています。そのため、完治させることが難しく、早めの治療と治療後のメンテナンスが重要となります。

肝斑、美白に有効な3つの成分

トラネキサム酸
ビタミンC
ビタミンE

トラネキサム酸

トラネキサム酸はアミノ酸の一種であり、炎症を引き起こす生体内の酵素であるプラスミンを抑制する働きがあります。このプラスミンはしみの元となるメラニンを活性化させる作用もあるため、プラスミンを抑制することで、しみが過剰にできることを防いでくれます。また、肌荒れを防ぐ効果も期待されています。
副作用および注意点
止血薬のトロンビンと同時に服用することができません。併用により血栓ができやすくなります。
心筋梗塞、脳梗塞、血栓性静脈炎など血栓の病気がある方は医師にご相談ください。

ビタミンC

ビタミンCもしみの元となるメラニンの生成を抑えるほか、酸化して黒くなってしまったメラニンを還元する効果も認められており、しみを薄くする効果が期待されています。
副作用および注意点
副作用は極めて稀ですが、胃の不快感や吐き気、軽い下痢がみられる場合があります。
飲み始めなど症状が出現した場合は医師とご相談ください。

ビタミンE

ビタミンEはビタミンCの働きを助ける効果があります。その他にも活性酵素の働きを抑えて肌の細胞を守ってくれたり、肌の新陳代謝を活発にする効果が期待されています。
副作用および注意点
副作用として便秘、胃部不快感、下痢、発疹などが報告されています。
何らかの症状が出現した場合には医師にご相談ください。

治療の目安

トラネキサム酸の効果は、4~5週間目から現れてきます。ご状態にあわせて2~3ヶ月を目安に内服を行なっていきます。

美白内服治療
28日分 5,500円

レーザートーニング

レザートーニング

肝斑治療にはヤグレーザーを使用したレーザートーニングを行ないます。
今までレーザーによる治療は難しいとされてきましたが、非常に弱い出力のレーザーを均一に照射することにより、施術回数を重ねることで肝斑を少しずつ薄くしていくことが可能となりました。

レーザートーニングはこんなかたにおすすめです
✔ 肝斑がある
✔ くすみが気になる
✔ 毛穴の開きが気になる
✔ 化粧のりを良くしたい

レーザートーニングの特長

低出力で炎症を起こさず、少しずつメラニンを除去

肝斑は強い刺激が与えられるとメラノサイトが活性化して、悪化する可能性があります。そのため、レーザートーニングでは、微弱なエネルギーを広く回数をかけて照射していくことで、メラノサイトを活性化させずにメラニンを徐々に減らしていきます。

均一な照射

しみ治療などで使用されるレーザー光は、ガウシアン型といわれる山型をしています。ガウシアン型のレーザー光は、中心部が最もエネルギーが強く、端にいくほど弱くなっていきます。そのため、エネルギーが強すぎる中心部では炎症がおこることにより、肝斑を悪化させるリスクがありました。レーザートーニングで使用されるレーザー光は、トップハット型で平らな形のレーザー光のため、エネルギーの強弱がなく、均一にメラニンを破壊することができます。

美白、美肌効果も

レーザートーニングは肝斑だけでなく、雀卵斑や肌のくすみ、色むらなどの美白効果が期待できます。また、レーザートーニングの波長は皮膚深部にまで届くので、コラーゲンの生成が促され、美肌効果も期待できます。

治療の目安

レーザートーニングの平均治療回数は5回以上で、肝斑の濃さなどにより10回以上の照射が必要になることもあります。治療間隔は1~2週間に1回となります。肝斑の状態や目的によっては3~4週間間隔で行うこともあります。

イオン導入や内服治療との併用で相乗効果も

レーザートーニングによる肝斑治療と併用して、肌の美白効果があるとされるビタミンCやメラノサイトの活性化を防ぐトラネキサム酸の服用や、レーザートーニング後にイオン導入をすることで、相乗効果が期待されます。

レーザートーニングのリスクと合併症

施術中、チリチリとした痛みを感じることがあります。痛みが強い場合には施術者にお伝えください。
施術後に赤み、ほてりを感じることがあります。数時間で落ち着いていきますが、長引くようでしたらご連絡ください。

レーザートーニング
初回お試し 8,800円
1回 11,000円

フォトRF

フォトRFとは、光エネルギーと高周波(RF)を組み合わせて行う、しみ・くすみの改善を目的とした治療です。

フォトRFはこんなかたにおすすめです
✔ お顔全体のくすみが気になる
✔ しみやそばかすが気になる
✔ 小じわや毛穴の開きが気になる
✔ にきびができやすい

フォトRFはしみ改善、美白ケアの光治療器フォトフェイシャルに高周波によるスキンタイトニング効果をプラス。色素に反応する光エネルギーの効果でしみ・くすみを改善し、さらに高周波が真皮層を活性化することでコラーゲンの産生を促し、お肌のハリや弾力をアップさせていきます。

フォトRF(オーロラ)のイメージ

しみやくすみがある肌の表皮にはメラニン色素が多く存在しているため、レーザーやパルスライトで治療を行うとき、効果を上げようとして照射出力を上げていくと、強い痛みを伴い、表皮にダメージ(火傷)を与えてしまう可能性があります。フォトRFでは光エネルギーを最小限に抑え、その補填として高周波エネルギーを使用します。高周波は光とは異なる選択性をもち、メラニンや血管の分布と無関係に働きます。従って表皮のメラニン量に影響されずに、効率的に真皮層へ熱エネルギーを与えることができます。これにより従来の光エネルギーによる痛みや火傷のリスクが抑えられ、肌や毛の色に影響されない治療が可能となります。

フォトRFの効果

お顔全体のしみ、くすみ、そばかすの改善
お肌のハリ、小じわ、毛穴の開きの改善
赤ら顔、にきびの改善

従来のパルスライト装置は光のみでアプローチしていたのに対し、フォトRFでは光(フォト)エネルギーに加えて、高周波(RF)エネルギーが補完的に働き、シナジー効果を生み出します。

フォトRFの詳細

フォトRFは光治療に高周波を加えることにより、光が届かない肌の深部にも働きかけ、コラーゲンの再生を促します。美白効果とリフトアップ効果を同時に行ないます。初めてのかたでも、肌のハリが実感でき、点在するしみやそばかすが薄くなっていくのが感じられます。回数を重ねるごとに毛穴が引き締まり、頬やフェイスラインのリフトアップ効果が期待できます。

フォトRF(SR)
フォトRF(SR)は580~980nmの波長の光と最大25J/㎤の高周波で治療を行っていきます。光エネルギーでしみやそばかすの原因であるメラニンを破壊し、高周波で真皮にある繊維芽細胞を刺激して、お肌のハリや弾性の元であるコラーゲンの生成を促します。

フォトRF(SRA)
フォトRF(SRA)は、色調老化に対しSRよりもアグレッシブな治療となります。SRで取りきれなかったしみに効果的です。そのため日に焼けたお肌や肝斑があるかたには不向きです。SRよりメラニンに吸収される波長を含むため、表在性色素班(しみ)や血管拡張(赤ら顔)の治療により効果を発揮します。
SRAはSRよりも照射の反応が強いため、リスクを軽減する上でも、フォトRF(SR)を1クール(5回)行ってから、SRAを照射することをおすすめいたします。

治療の目安

1回でも効果を実感することができますが、3~4週に1度のペースで、5回(1クール)の施術をお受けいただくとより高い効果を実感していただけます。

フォトRFがお受けいただけないかた

妊娠中のかた
光過敏症のかた
光感受性を高めるお薬を内服中のかた
過度の日焼けをしているかた
炎症、傷があるかた
出血性疾患、ケロイド体質のかた
てんかん発作の既往があるかた

フォトRFのリスクと合併症

施術後に発赤、水疱、痂疲形成、ひりつき、火傷を起こす可能性があります。

フォトRF
初回お試し 11,000円
1回 33,000円
5回(1回22,000円) 110,000円

Qスイッチヤグレーザー

Qスイッチヤグレーザー

ピンポイントのしみ取りはQスイッチヤグレーザーと呼ばれるレーザー機器を使用して行ないます。レーザーの特徴がメラニンの黒い色素をターゲットとして破壊するため、しみを選択的に治療することができます。色素の濃さやお肌の状態にあわせてレーザーの出力を調整して治療を行ないますので、正常な皮膚にダメージを与えることなく治療することができます。

通常のしみ(老人性色素斑)であれば、1回の治療でしみを取ることができます。

Qスイッチヤグレーザーはこんなかたにおすすめです
✔ 濃いしみがある
✔ 気になるしみがある
✔ ピンポイントで治療したい

しみ取りのメカニズム

レーザーがしみの原因であるメラニンだけをピンポイントに破壊し、ターンオーバーでその部位の表皮細胞が生まれ変わることでしみが消えます。
Qスイッチヤグレーザー

痛みについて

レーザー照射は輪ゴムで弾かれたような少し熱い刺激を感じます。痛みに弱い方は麻酔クリームをご用意しておりますので、カウンセリング時にご相談ください。

照射後の経過

照射した部分を茶色いテープで保護します。照射後2~3日で照射した部分にかさぶたができます。かさぶたは無理に剥がさないようにしてください。しみの大きさや反応の度合いにもよりますが、1週間前後でテープと一緒にかさぶたが剥がれ落ちます。
かさぶたが取れた後はピンク色のお肌となります。その後、徐々に茶色っぽくなり、炎症後の色素沈着の状態となります。炎症後の色素沈着は1~3ヶ月かけて徐々に落ち着いていきます。

Qスイッチヤグレーザー
1shot(3mm×3mm) 1,100円