下眼瞼切開のモニターさまの手術がありました。
今回のモニターさまは目の下の異物除去をご希望され、ご相談にこられました。
10年以上前に、他院にて目の下に何かフィラー(注入物)を注入したそうですが、何を入れたかは不明とのことでした。
カウンセリングにご来院された時、目の下に不自然なふくらみがありました。その目の下の異常なふくらみが気になり、3年前に他院に相談にいき、下眼瞼の切開による異物除去をしたそうですが、改善せず。その後、2回ヒアルニダーゼ(ヒアルロン酸溶解剤)を注射したそうですが、それでも改善せず。2年前に再度結膜側より異物除去手術を受けたそうですがそれでも改善せず、去年ヒアルロニダーゼを注射したそうです。
ふくらみをなくすには原因となるものを除去するしかありません。ヒアルロン酸が原因の場合にはヒアルロニダーゼ、肥厚性瘢痕であればステロイドの注射という選択肢があります。今回のモニターさまは何を注入したのかが不明であり、過去3回ヒアルロニダーゼを注射していますが、効果がなかったため、今回ヒアルロニダーゼはご希望されませんでした。ステロイド注射も1度の注射で劇的に改善するものではなく、また今回の患者さまのふくらみの原因が不明なため、ステロイドの効果は定かではありません。原因を特定するには切開して中を見る必要があります。
下眼瞼切開では下まつげの生え際を切開します。今回のモニターさまは過去に下眼瞼の切開をしているので、前回の傷跡を利用して切開するため、傷跡は増えません。
皮切後は皮下を剥離していきます。その後、眼輪筋を横切開し眼輪筋と眼窩隔膜の間を剥離していきます。
眼輪筋と眼窩隔膜の間を剥離していくと眼窩下縁にたどり着きます。眼窩下縁まで剥離した状態ですが、皮膚と眼輪筋の厚さが通常の2倍以上あり、瘢痕化して硬くなっていました。今回のモニターさまのふくらみの原因はここにあると考えられます。
厚みを減らすため、皮下の瘢痕様の組織を切除しました。切除する際取り過ぎると陥凹してしまったり、でこぼこになってしまうことがあるので、注意が必要です。また皮膚の近い部分を切除し過ぎると血行不良を引き起こし、皮膚が壊死してしまうことがあります。
組織を切除していくと皮下よりジェル状の注入物がでてきました。
できる限りこの注入物を絞り出しました。結構な量がでてきました。
除去した注入物の一部
でてきた注入物です。絞り出した後は皮膚の厚みが薄くなりました。
切除した皮膚および皮下組織
たるみもなくして欲しいとのことで皮膚も少し切除しました。
今回行った手術名
下眼瞼切開
通常価格 330,000円(税込)
異物除去
別途 110,000円(税込)
※他院修正の場合には、ご状態により別途修正代がかかります。
下眼瞼切開のリスクと合併症
腫れ、内出血、痛み、引き攣れ、外反、左右差、感染など