唇のタトゥーと表現されるものは大きく分けて2つあります。
1.インナーリップタトゥー:唇の内側に入れ墨で模様を描く(永久に消えない)
2.リップアートメイク:唇の表面に針で色素を入れて着色する(2~3年で消える)
インナーリップタトゥーは正真正銘のタトゥー(入れ墨)です。肌の深い部分まで色素を入れるので、永久に消えません。
リップアートメイクは、色素を入れる場所が唇の表面のごく浅い部分になります。ターンオーバーによって2~3年たてば自然に消えていきます。
タトゥー(入れ墨)は永久に消えないものなので、リップ、唇のタトゥーとアートメイクの区別がつかないうちは、「気に入らなくても一生消せないんじゃないか」と不安に感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。
ここでは、唇のタトゥー、リップアートメイクそれぞれに、消すことができるのかという疑問にお答えしていきます。
またタトゥーとアートメイクの根本的な違いや、リップアートメイクの痛み、長持ちさせる方法など、リップアートメイクの情報も詳しくご紹介していきます。
唇タトゥーとリップアートメイクの違いは?
唇のタトゥーとリップアートメイクの違いは、色素を入れる場所にあります。唇のタトゥーは真皮層の下に色素を入れますが、リップアートメイクでは表皮に色素を入れます。そのため、唇のタトゥーが自然に消えることはありませんが、リップアートメイクは2〜3年ほどで消えていきます。
リップアートメイクを持続させるためには、定期的なメンテナンスで色を補ったり形を整えたりする必要があります。流行やそのときの気分にマッチしたデザインを選べますし、美しい状態をキープしやすいのが魅力です。
唇のタトゥーは消せる?
インナーリップタトゥーのように唇に入れたタトゥー(入れ墨)を消したい場合、通常ではレーザーや切除の手術を行います。
レーザーは明るい色に反応しにくいため、華やかなタトゥーにした方はきれいに落とせない場合があります。反対に黒などの暗い色にレーザーは反応しやすいため、消せる可能性は高くなります。入っている色によって仕上がりは変わりますし、キレイに消えない場合もあることを知っておきましょう。
リップアートメイクは消せる?
アートメイクはそもそもゆっくり消えていくものですが、「なりたいリップの色と違う」「形が気に入らないかも」など、リップアートメイクの仕上がりが気になる際はレーザーで消せます。
しかし消すための費用も必要になるので、最初から過剰に色素を入れないことが大切です。
とくにオーバーリップは、経年劣化した際に色素がまだらに残る場合があります。これは、唇以外の肌にも色素を入れるため、時間が経ったときに色が残ってしまい見た目も悪く仕上がります。
もし唇を大きく見せたい場合はヒアルロン酸の注入でぷっくりとした唇にしてから、リップアートメイクをすることで、ふっくらとしたリップを作るという方法もあります。
※ヒアルロン酸注入とリップアートメイクの併用
リップアートメイクはそもそも消えやすい?
唇は食事をしたり歯磨きをしたりするなど、摩擦が起きやすい部位なので、色素が定着しにくく眉のアートメイクと比較すると若干消えやすい傾向にあります。
しかし唇の皮膚は薄いため、色素が深い部分に入りやすいことから、一度定着してしまうと眉よりも色素の持ちが良くなり、長い期間発色が持続します。
リップアートメイクは何年持つ?
リップアートメイクは2〜3年ほど持ちます。表皮に色素を入れていきますが、このときに奥まで色素が届くことがあるため、眉よりも長持ちできる傾向にあります。
また3つのコツを知っておくと、よりリップアートメイクを長持ちさせられます。
・保湿や紫外線対策などのアフターケアは丁寧にする
・ピーリングや運動などの新陳代謝を早める行動は避ける
・実績経験、技術力の高いクリニックを選ぶ
リップアートメイクが薄くなってきた場合は、口紅やグロスなどのメイクで色を足しましょう。
※アートメイクを長持ちさせる方法について詳しくは以下の記事をご覧ください
アートメイク1回目は何ですぐ消える?看護師が教える「長持ちさせる方法」とは
唇のアートメイクは痛くて腫れやすいってほんと?
※施術直後の腫れはとくに気になりません
リップアートメイクは色素の入れ方や技術力によって痛み、腫れは異なりますし手技によっても差があります。
かつて主流だった方法では、皮膚をひっかくように色素を押し込んでいくため、施術後は2倍くらいに唇が腫れあがることも良く起こりました。
しかし近年よく使用される、「ブラッシュアップ」という色素を点状に入れていく技法では、腫れた感じはありますが、実際の見た目はほとんど腫れません。
しかし、痛みにおいては眉よりも感じやすい特徴があります。施術中と施術後で、感じる痛みや腫れはどのように違うのか以下の項目で解説していきます。
施術中の痛みはどのくらい?
唇は眉よりも皮膚が薄いため、施術中に痛みを感じることが多く見られます。痛みの感じ方は個人差がありますが、痛痒さが連続してくる状態です。
また、擦り傷をして湯船に浸かった際に感じる、しみるような痛みが断続的にきます。これは最も痛みが強い状態ですが、施術中に使用できる麻酔を使用することで和らぎます。
施術後の痛み、腫れはどのくらい?
施術後はほんのり腫れますが、周りに気付かれることはほとんどありません。施術を受けた方が少し気になる程度なので、「腫れていて人に会うことが恥ずかしい」といったことはないでしょう。
【施術前】リップアートメイクの痛みを軽減するには
少しでも施術する際のリップアートメイクの痛みを軽減したい、と考える方はたくさんいるでしょう。施術前に痛みを軽減するためには主に4つのポイントに注意しましょう。
- クリニックの技術力によって腫れや痛みが大きく変わる
- 乾燥した唇は痛みを感じやすい
- カウンセリングで痛みのコントロール方法を確認する
- 体調不良時は痛みを感じやすい
詳しく見ていきましょう。
技術力のあるクリニックを選ぶ
施術中、施術後の腫れや痛みのあるなしは、施術者の腕前にかかってくる部分が非常に大きいと言えます。リップアートメイクの施術は通常1時間以内に完了するものです。しかし未熟な施術者の場合、色をしっかり入れようとするあまり施術時間が長くなってしまうことがあります。長すぎる施術によって炎症が大きくなり、痛みや腫れが長引いてしまうケースはよくあります。技術力に定評のあるクリニックを選ぶことが大切です。
事前の保湿をしっかりする
痛みを軽減するために保湿は大切です。唇が乾燥した状態だと、麻酔の浸透が悪くなります。麻酔は皮膚が良い状態であれば、麻酔が効きやすく痛みを抑えるので、施術の1週間前から保湿ケアを行いましょう。
また色素を定着させるという点からも、保湿は大切です。唇の乾燥があまりにもひどい場合、施術をしても色素が入らず皮膚にダメージを与えるだけなので、施術を断ることがあります。唇は色素が定着しにくい部位なため、保湿をしっかりして色素の入りやすい環境を整えましょう。
カウンセリングで麻酔の説明をしっかりしてもらう
しっかりと麻酔の効いた状態で施術を受けるには、時間に余裕のあるスケジュールを組むことも大切です。
たとえば他の予定がある前のギリギリの時間に予約を入れたため、早く帰らなくてはならないとしましょう。そうなると施術時間の短縮は難しいため、麻酔が効いてくるまでの待ち時間を短縮することになり、十分に効かないまま施術を始めると当然痛みも大きくなります。そのため、余裕をもって時間を確保しておかなければなりません。
痛みが怖いからといって、過剰に麻酔をかけてもらうことも注意した方がよいでしょう。麻酔のかけすぎは色素が定着しにくい状態です。麻酔をかけている時間が長いと皮膚は柔らかくなります。そのため皮膚の皮むけなど損傷が起きやすい状態に。色素も定着しにくいですし炎症も起きやすくなります。
施術前にかける麻酔とはまた別に、施術中にかける二次麻酔もあります。これはジェル状の塗るタイプの麻酔です。施術中の痛みを軽減できます。アートメイクの施術はこれらの麻酔の適切な使用で疼痛コントロールを行っていきます。
カウンセリングで麻酔の説明をしっかり受け、理解してから施術を受けましょう。
施術当日は万全の体調で
施術当日の体調が悪いと、痛みを感じやすくなる傾向にあります。生理中や睡眠不足、疲労感などのさまざまな不調を感じる場合は痛みが出やすい状態です。
リップアートメイク施術日1週間前は睡眠時間を十分に取って、体調と肌のコンディションを整えましょう。
また、唇が炎症したり傷ができたりする場合も強く痛みが出るため、施術当日に体調が優れないときはクリニックに相談することが大切です。無理に施術を行うのではなく、施術日は見送ってスケジュールを見直しましょう。
また生理期間中の施術を避けることも、痛みを軽減する方法です。生理期間中は肌が敏感になるので、痛みを感じやすくなる場合があります。
コミュニケーションを取りながら、生理期間を避けてスケジュールを組んでもらえる、痛みをコントロールする方法を考えてくれるクリニックを選ぶことが大切です。
【施術後】リップアートメイクの痛みを軽減するには
施術後、リップアートメイクの痛みを軽減するために、主に4つのことに注意してください。
- 刺激物を避ける
- 痛みを感じたら患部を冷やす
- 処方薬をしっかり塗る
- 急激に代謝を上げる行動を避ける
上記を意識するだけでも、痛みや腫れの感じ方は大きく変わっていきます、詳しく見ていきましょう。
「辛い」「熱い」など刺激になる食事は2~3日我慢する
傷ついた皮膚の形成には3〜4日かかります。そのため、施術後2〜3日は辛い・熱い食べ物や飲み物などを避けましょう。また、コーヒーも刺激物になるので、控えた方がリップアートメイクによる痛みを軽減できます。
【補足ポイント!】
痛みとは関係ありませんが、生ものの食事も控えてください。刺身などの生ものには菌がいるため、感染リスクが高い状態にあります。唇には肌のバリア機能がなく、感染しやすい部位になるのでリップアートメイク施術後は数日間、雑菌が残りやすい生ものなどの食事を避けた方が化膿などのトラブルが起きにくく安心です。
痛みや腫れのある患部を冷やす
リップアートメイク後、痛みや腫れが気になる場合は患部である唇を冷やしましょう。冷やすときは雑菌が患部に入らないように、保冷剤や氷を清潔なタオルで包んで唇に当てて冷やしてください。
処方された軟膏をしっかり塗る
アートメイクの傷は空気に触れると痛みを感じます。そのため、軟膏を塗って痛みをカバーしましょう。軟膏が外気から守る皮膚の役割を果たすので、しっかり塗ることで外気に触れても痛みは抑えられます。
さらに、埃や汚れから患部が炎症を起こすこともあり、外の刺激についても軟膏でダメージを防ぐことが可能です。色素の定着も良くなるので必ずクリニックの指示に従って使用しましょう。
軟膏は、市販のものは使わずにクリニックで処方されるものを使いましょう。市販の軟膏とクリニックの軟膏では含まれる成分が異なります。施術後は肌がデリケートなので、市販の軟膏だと成分が合わずにトラブルが起きる場合があります。そのため、クリニックから処方される軟膏で唇をしっかりケアしましょう。
当日は飲酒や入浴、運動を控える
代謝が良くなり過ぎると、痛みや腫れが出やすい傾向があります。新陳代謝をあげる飲酒や入浴、激しい運動は施術後1週間程度は控えましょう。
また施術前日の飲酒も避けてください。アルコールが残った状態では麻酔が効きにくくなり、施術中に痛みを強く感じることがあります。クリニックによっては施術前後24時間の飲酒を禁止にするところもありますので、カウンセリングのときに確認しておきましょう。
施術当日から入浴は可能ですが、浴槽に長く浸かることで代謝が促進されますので、当日はシャワーなどの短い時間で入浴を済ませるのがよいでしょう。
リップアートメイクは「消えるもの」メンテが必要だから、痛みのケアが大事!
アートメイクは数年で消えるように作られていますが、少しでも長持ちさせるために、経験と技術のあるクリニックを選ぶことが大切です。また痛みについても、疼痛コントロールで痛みを抑えながら施術したり、アフターケアをしっかり行うなどで緩和されます。カウンセリングでたくさん質問をして、理解してから受けるのが安心ですね。
症例写真や実績などを調べて、信頼できるクリニックでリップアートメイクの施術を実施してください。
【この記事の監修者情報】 OWLBROW代表 ・看護師歴24年 略歴 2018年~現在まで延べ約10,000人の患者さまの施術に関わる 資格 コメント |