色素が定着すれば、2〜3年ほど口紅を塗ったような唇を楽しめるリップアートメイク。口紅は塗り直しが必要ですが、リップアートメイクはすっぴんのときも魅力的な唇をキープできます。
とはいえ、リップアートメイクは「施術中に痛みを感じやすい」「施術後は大きく腫れる」など、デメリットを耳にしたことがある方もいるでしょう。
この記事では、リップアートメイクの基本情報から施術前後の痛みを軽減するポイントをご紹介します。リップアートメイクに関する不安・疑問をここで解決しましょう。
リップアートメイクとは
リップアートメイクは、専用のマシンを使い色素を注入する施術。医師や看護師の資格を保有する者が施術を行う医療行為です。唇の表面のごく浅いところに色素を入れ、2〜3年ほどきれいな状態を楽しめます。
そのため、インナーリップタトゥー(唇のタトゥー)のように永久に消えないことはなく、徐々に消えていきます。トレンドに合わせたデザインに変更できるのが、リップアートメイクの魅力です。
リップアートメイクは以下のような方におすすめ。
・唇の色がくすんでいる方
・メイクを時短したい方
・唇の左右差が気になる方
・すっぴんに自信を持ちたい方
・口紅などの塗り直しを何度もしたくない方
唇は食事やマスクなど、摩擦が起きやすい部位であるため、口紅やグロスは落ちやすく何度も塗り直しが必要です。食事の度に塗り直すことが億劫な方・唇の色落ちを気にしたくない方・血色が良くなく体調がすぐれない?と聞かれる方は、リップアートメイクに適しているでしょう。
※アートメイクの詳細については、以下のページをご覧ください
浦和第一美容クリニック|医療アートメイク
リップアートメイクのメリット
リップアートメイクのメリットは以下の3点が挙げられます。
・すっぴんのときも血色感がでる
・顔のバランスを整える
・明るい印象に
それぞれ詳しく見ていきましょう。
すっぴんのときも血色感のある唇に
日本人は唇がくすんでいる方が多く、血色が少ない方もいらっしゃいます。リップメイクなしの場合、不健康に見られやすい傾向にあります。リップアートメイクであれば、すっぴんのときも健康的な唇をキープできます。
顔のバランスを整える
唇は顔のバランスを整えるために大切な部位でもあります。
※唇をきれいに見せる黄金比率
縦(高さ)1:横(幅)3
リップアートメイクでは、唇の黄金比率に近づけたデザインに仕上げられます。また患者さまのお顔のパーツを測り、最適なデザインを決めるのもリップアートメイクのポイントです。お顔のパーツ比率は一人ひとり異なりますので、比率を測りご本人に似合ったリップを見つけます。
そのほか、年齢とともに少しずつ下がる口角を自然に上がったように見せることも可能です。口角が上がると、見た目の印象も変わります。
※過剰なオーバーリップは、推奨していません。
印象が明るくなる
リップアートメイクでは色をただ入れるだけではなく、くすみを取る顔料+色味の顔料の2種類が使われています。くすみを取り、ベースカラーをトーンアップさせ印象を明るくします。ナチュラルな唇やつややかな唇など、自分のなりたい色調に仕上げられるのです。
もちろん、汗をかいたり水で濡れたりしても落ちることはありません。どんなときも好発色な状態の唇を楽しめるのがリップアートメイクの魅力です。
リップアートメイクのデメリット
リップアートメイクはメリットだけではありません。デメリットもありますので、どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
※アートメイクのデメリットについては、以下のページで詳しく解説しています
アートメイクのデメリットについて徹底解説!失敗しない施術のコツ
痛みや腫れを感じることがある
アートメイクは施術する際、麻酔を使用するため痛みを感じにくい場合がほとんどです。しかし、唇は眉と比べて皮膚が薄くデリケートな部分でもあるため、施術中に痛みを感じることがあります。
個人差はありますが、擦り傷の状態で湯舟に浸かったときのしみるような痛み・痛痒さといった痛みを感じます。
また、リップアートメイクの施術後は唇が少し腫れることがあります。周囲に気づかれるような目立った腫れではありませんので、ご安心ください。
施術後、すぐにデザインの変更ができない
リップに限らず、アートメイクは施術直後に大幅なデザインの変更は困難です。レーザーで消す方法もありますが、消すための費用がかかったり痛みが強く出たりします。そのため、なりたいデザインイメージを明確にして、施術者と一緒にデザインを決めることが大切です。
※リップアートメイクのデザインについては、以下のページをご覧ください
リップアートメイクデザインのポイントは?
リップアートメイクで多く見られる失敗例が、濃く色を入れた・オーバーリップ。濃いリップに憧れて色素を多く入れた場合、唇の色味は濃くなりますが素顔のときに唇だけ浮いて見える可能性もあります。
一方オーバーリップでは、本来の唇よりもオーバーリップにするため不自然な仕上がりになることも。また退色した際に色ムラができ、経年したときもきれいな状態をキープできない場合があります。
リップアートメイクの種類
リップアートメイクは主に2種類の技法があります。
Lip Brush(ティントリップ)
フルリップ
それぞれどのような技法・仕上がりになるのか、解説していきます。
Lip Brush(ティントリップ)
Lip Brush(リップブラッシュ)とは口唇のラインは入れすぎず、ソフトラインに入れるまたはラインを決めずに中のみに色素を埋める技法です。ドット状で面を埋めて色をつけるので、パウダー感のある仕上がりになります。腫れが少ないのもLip Brushの特徴です。
韓国ではティントリップと呼び、唇の中心に濃く重ねて色素を入れてティントリップを塗ったような仕上がりにすることも可能です。
フルリップ
フルリップは唇全体に色素を入れて、唇の輪郭をしっかり出す技法です。立体的な唇に仕上がり、お顔の印象も大きく変わります。ただし隙間なく色素を埋めていくため、Lip Brushよりも腫れが出やすい特徴があります。
昔からある技法で、強いくすみに悩む方・しっかりとしたデザインを希望される方に人気です。
リップアートメイクの施術の流れ
リップアートメイクの施術の流れは以下の通りです。
・カウンセリング
・1次麻酔
・デザインの決定
・施術
・2次麻酔
・アフターケア
唇は痛みを感じやすく、十分に麻酔が効いた状態で施術を受けることが大切です。麻酔の効果が出るまで時間がかかりますので、施術当日は麻酔の待ち時間を含め、余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
持続期間
リップアートメイクの持続期間は2〜3年ほど。唇は皮膚が薄く表皮の奥(真皮層)まで色素が入る場合があるため、定着すれば色持ちは良くなります。
また美しい状態を長く楽しむために、以下のポイントも押さえましょう。
- 施術部位を一定期間、濡らさない
- ターンオーバー周期を早めない
- 施術後の丁寧なケア
※アートメイクを長持ちさせるコツについて詳しくは、以下のページをご覧ください
アートメイク1回目は何ですぐ消える?看護師が教える「長持ちさせる方法」とは
ダウンタイムの経過
リップアートメイクのダウンタイム期間は1週間〜2週間程度。眉に比べてダウンタイム期間が長いのが特徴で、主な症状は以下の通りです。
- 施術後1~2日ほど:ほんのり腫れる
- 施術後2~3日ほど:色が濃くなる
- 1週間~2週間:乾燥や皮むけ
そもそもダウンタイムとは、施術による傷が落ち着いて日常生活に戻るまでの期間のこと。個人差・施術部位によって異なりますが、ダウンタイム期間は1週間程度の場合が多く、長くても2週間ほどで終了します。
※ダウンタイムについて詳しくは、以下のページをご覧ください
看護師に聞く!アートメイクのダウンタイムの経過・過ごし方|ダウンタイム中に避けたいこととは?
パッチテストを受けて、安全にリップアートメイクの施術へ
リップだけでなくアートメイクで使用される色素にはごく微量の金属が含まれています。重い金属アレルギーのある方はアレルギー反応を起こす可能性があります。そのため、施術前にパッチテストを受けましょう。
パッチテストについては、すべての患者さまが対象ではなく、アレルギー申告をされた患者さまのみテストを受けるため、アレルギーが気になる方もカウンセリングの際に施術者へ相談し、パッチテストを受けることをおすすめします。
また、最近では天然色素を使用するクリニックも増えています。天然色素は植物アレルギーの方に反応する可能性があります。植物アレルギーの方・心配な方も同様、パッチテストを必ず受けましょう。
2回目の施術はいつ?
リップアートメイク2回目の実施は、1回目の施術から30〜40日前後です。唇の状態を見て2回目を実施するので、個人差があります。施術者に状態を確認してもらい、2回目の実施日を決めましょう。
そもそも、リップを含めたアートメイクは2回以上の施術を必要とします。1回目はターンオーバー(肌の新陳代謝)の関係で色素が落ちやすいのです。またアートメイクは、経年から色素は滲んでぼやける特性がありますので、経年を考えた施術が求められます。
2回目の施術で調整・なりたいデザインに仕上がるように、1回目の施術では、薄く・控えめに色素を入れます。
リップアートメイクの施術前後の痛みを和らげる方法
唇は痛みを感じやすい部位ですが、ちょっとしたポイントを取り入れることで痛みを軽減できる場合があります。
※施術前後の痛みを軽減するポイントについては、以下のページで詳しく解説しています
唇のタトゥーは消える?リップアートメイクとの違いや消す方法、痛みについて徹底解説【看護師監修】
施術前の痛みを軽減する方法
施術前の痛みを軽減する方法は主に4点あります。
・技術力に定評のあるクリニックを選び、施術中の痛みや腫れを和らげる
・保湿をして唇の乾燥を防ぎ、麻酔の浸透を良くする
・カウンセリングの際、麻酔の説明をしっかり受ける
・施術当日、体調不良の場合はスケジュールを見直す
乾燥した唇は麻酔の浸透が悪くなるため、麻酔の効果を感じにくくなる場合があります。施術1週間前から唇の保湿ケアを行い、麻酔が浸透しやすい環境を整えることが大切です。
また、睡眠不足・生理・疲労感・風邪気味などの不調がある場合、痛みを感じやすい状態にあります。施術当日、体調がすぐれないときはスケジュールを変更し、体調・肌のコンディションが整った状態で施術を受けましょう。
施術後の痛みを軽減する方法
施術後は、以下の4点に気をつけましょう。
・刺激物・生ものは2~3日我慢する
・痛みや腫れがある場合は冷やす
・処方された軟膏を塗る
・施術当日は飲酒・入浴・運動を控える
施術後の唇は、埃や汚れなどの外部の刺激から炎症を起こすことがあります。クリニックで処方される軟膏は、外気から守るカバーの役割を果たします。しっかり軟膏を塗ることで、外からの刺激による痛みを軽減できるのです。また色素の定着も良くなりますので、クリニックの指示に従い軟膏を塗りましょう。
リップアートメイクの注意点
リップアートメイクは唇に細かな傷をつけるため、口唇ヘルペスを発症する可能性があります。とくに口唇ヘルペスの発症経験のある方は、再発の可能性が高いでしょう。
施術後、刺身などの生ものの食事にも気をつけてください。唇は肌のバリア機能がなく、菌が感染しやすい部位でもあります。そのため、施術後しばらくの間は生ものを控え、化膿などの皮膚トラブルを防ぎましょう。
リップアートメイクの料金
リップアートメイクの料金はクリニックや施術者のランク(技術力・経験)などで異なりますが、相場は8万〜15万円ほど。
当院の場合、リップアートメイクの料金設定は以下の通りです。
ランク(施術者) | 通常価格(税込み) |
Junior | 88,000円 |
Artist | 110,000円 |
Top | 132,000円 |
Master | 143,000円 |
3回セットの料金となっており、2回目以降の施術のタイミングは2ヶ月以内としています。また、1年以内のメンテナンスの場合は通常価格の半額です。
リップアートメイクは医療行為でもありますので、料金の高さがネックに感じる方もいるでしょう。そのような方には、モニターでの施術がおすすめです。多くのクリニックで実施されており、通常価格の半額などでアートメイクを受けられます。
当院でもリップアートメイクのモニターを募集しています。施術前後のお写真提供・1ヶ月前後のリタッチにご来院が可能な方を条件としていますが、通常価格よりも安い料金で施術を受けられます。
※当院のアートメイクモニターについて詳しくは、以下のページをご覧ください
浦和第一美容クリニック|アートメイクモニター募集
失敗のリスクを減らすクリニックの選び方
いずれは消えるリップアートメイクですが、一度定着すると簡単には修正できません。失敗のリスクを回避するためには、自分に合ったクリニックを選ぶことが大切です。
丁寧なカウンセリング
患者さまの要望に対して、すべて肯定するクリニックは避けた方が無難です。骨格などは一人ひとり異なりますので、なりたいデザインが必ずしもイメージ通りに仕上がるとは限りません。そのため、患者さまの希望するデザインを取り入れつつ、最も似合うデザインをカウンセリングで一緒に考えてくれるクリニックを選ぶことをおすすめします。
カウンセリングの段階で違和感がありましたら、すぐに施術を受けない・ほかのクリニックに変更するなど、慎重にクリニックを選びましょう。
当院では、無料カウンセリングを実施しています。リップアートメイクについて「気になること」「不安なこと」など、些細なことでもお気軽にご相談ください。
浦和第一美容クリニック|無料カウンセリング予約
施術者の技術力
痛みを感じやすいリップアートメイクは、施術者の技術力でも痛みの度合いは変わります。
リップアートメイクの施術時間はおおよそ2時間以内です。しかし経験の浅い施術者の場合、施術時間が長くなることもあります。施術時間の長さで、炎症が悪化したり痛みや腫れが長引いたりするケースも。痛みに不安を感じる方は、技術力に定評のあるクリニックを選ぶ方がよいでしょう。
しっかりとしたアフターケア
先述した通り、軟膏は外気による刺激を守る役割を担っています。クリニックで処方される軟膏をしっかり塗り、痛みを和らげましょう。
このとき、市販の軟膏は控えてください。市販の軟膏はクリニックの軟膏と成分が異なります。施術後の唇はさらにデリケートなため、市販の軟膏では刺激を与えてしまう場合があります。必ず、クリニックから処方される軟膏を使用しましょう。
またリップアートメイクは、医療クリニックで施術を受けることが大切です。
なかには、タトゥーとして施術を行うところもあります。そのようなところでは、無資格で施術を行うケースがほとんどです。麻酔を使用しなかったり軟膏を処方しなかったりするなど、きちんとした対応がされておらず、トラブルが起きた際に十分な対応を受けられない可能性があります。
医療クリニックであれば、医師や看護師が施術を行いますので、衛生管理・衛生操作を行い、適切なアフターケアを受けられます。そのため、リップアートメイクを受ける際は「医療クリニック」や「メディカルクリニック」で施術を受けましょう。
リップアートメイクの症例-なりたいデザインを見つける
こちらでは、当院のリップアートメイクの症例をご紹介します。デザインが決まっていない方・理想のデザインが見つからない方は、ぜひ参考にしてみてください。
※リップアートメイクのデザイン選びのポイントについては以下の記事を参考にしてください
リップアートメイクデザインのポイントは?
リップアートメイクで現在人気のあるデザインはアウトラインを取らずにぼかして、中にグラデーションを作り、くすみを取る方法です。
しっかりとラインを取ってお化粧感を出すより、くすみを取る程度のナチュラルな仕上がりの方が、年数が経って退色したときに色ムラになりにくく綺麗な状態をキープしやすくなります。
リップアートメイクは施術者と一緒に似合うデザインを見つけことが大切
すっぴんのときも血色感のある唇に見せるリップアートメイク。いずれは消えますが、大幅なデザインの変更はできませんので、カウンセリングでしっかり形を決めることが大切です。
とくに、唇が薄くてオーバーリップにしたい場合、オーバーリップは時間が経ったときに広く滲むなど、きれいな状態を保てないことがあります。
ご自身の悩みを施術者に相談し、最も似合う形・最適な施術方法を一緒に見つけましょう。
【この記事の監修者情報】 OWLBROW代表 ・看護師歴24年 略歴 2018年~現在まで延べ約10,000人の患者さまの施術に関わる 資格 コメント |