シリコンバッグの長期経過のリスク

シリコンバッグ抜去

シリコンバッグ抜去のモニターさまです。

今回のモニターさまは15年前に腋窩よりテクスチャードタイプのシリコンバッグを挿入、シリコンバッグの大きさは200cc、どの層に入れたかは不明とのことでした。

術前
術前

術前の状態です。バッグの位置としては少し上にあります。特に右の位置があがっています。

術前臥位

術前横になった状態です。横になるとバッグが入っているのがよくわかります。
切開線の位置がマーキングしてあります。この線より切開線は短いです。

シリコンバッグを抜去した後、乳房下縁の位置は少し上にあがります。

術中

左胸のシリコンバッグが抜き終わりました。

左胸に入っていたシリコンバッグ
左のシリコンバッグ

今回のモニターさまは15年前にシリコンバッグを挿入しています。この間特にトラブルはなかったそうですが、抜去したシリコンバッグは破損していました。外見上、問題がなくみえても15年経過していると、シリコンバッグは劣化しています。
破損レベルにもよりますが、シリコンバッグ自体が破損していても特に問題はありません。シリコンバッグの周りにできる被膜ごと傷ついた場合には人体になんらかの影響を及ぼします。
乳房下縁からのアプローチの場合、被膜内の様子が肉眼で確認することができます。乳房下縁法のメリットのひとつです。すべて取り除き、洗浄および消毒をして傷を閉じます。

術後臥位

両測ともにシリコンバッグを抜去し終わりました。

抜去したシリコンバッグ
抜去したシリコンバッグ

右胸のシリコンバッグは破損していませんでした。左右ともにシリコンバッグは変色、劣化しています。

手術直後
手術直後

手術直後、座位の状態です。シリコンバッグがなくなった分、バストのボリュームが減りました。
長期間シリコンバッグが入っていると周辺組織は吸収されるため、抜去直後は陥没します。もともと乳腺が発達しているかたの場合にはあまり目立ちません。この陥没も時間の経過である程度軽快します。

術後1週間
術後1週間

術後1週間、抜糸後の状態です。内出血は目立ちませんでした。
術後1週間はバストバンドで圧迫固定を行います。

術後1ヶ月
術後1ヶ月

術後1ヶ月目の状態です。被膜内に浸出液の貯留もなく経過良好です。
バストの状態は落ち着いてきますが、傷はまだまだ目立ちます。予想以上に乳房下縁の位置は上にあがりました。

術後3ヶ月
術後3ヶ月

術後3ヶ月目の状態です。傷跡は3ヶ月目以降から硬さがなくなっていき、色素沈着も引いていきます。

術後6ヶ月目
術後6ヶ月

術後6ヶ月目の状態です。

術後6ヶ月目の傷跡
術後6ヶ月目の傷跡

術後6ヶ月目の傷の状態です。傷はきれいに治っており、目立たなくなってきました。

今回行なった手術名
シリコンバッグ抜去(乳房下縁法)
       通常価格 220,000円(税込)
モニター価格 110,000円(税込)

シリコンバッグ抜去のリスクと合併症
腫れ、内出血、痛み、浸出液の貯留、傷跡、感染など

シリコンバッグ抜去の詳細

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