シリコンバッグ抜去のモニターさまです。
今回のモニターさまは20年前に他院でシリコンバッグを挿入しています。腋窩より挿入したとのことですが、それ以外の詳細は憶えていないとのことでした。
今までトラブルはなく経過してきたそうですが、術後20年経過していること、バッグが入っていることへの不安から今回抜去をご希望されました。
抜去の方法としては、腋窩より抜去する方法と乳房下縁より抜去する方法があります。目立たない部分に傷跡を作るのであれば、挿入時の傷跡を利用する腋窩法となります。腋窩法の場合には挿入時と同様腕の可動制限、腕を動かした時などに痛みが生じるなどのダウンタイムが生じます。一方乳房下縁法では傷つけるのは乳房の下縁のみとなりますので術後の痛みも比較的少ないです。またバッグが破損していた時なども乳房下縁の方が安全に処置ができます。今回はご相談の結果、乳房下縁よりシリコンバッグを抜去しました。
術前
術前の状態です。とてもきれいにシリコンバッグが挿入されています。触ると一部シリコンバッグが触れる部分があります。
術前臥位
術前の横になった状態です。横になるとシリコンバッグが挿入されているのがよくわかります。
片側のシリコンバッグを抜き終えました。
両側シリコンバッグを抜き終わった状態です。不自然のシリコンバッグのふくらみがなくなりました。
抜去したシリコンバッグ
抜去したシリコンバッグです。125㏄のテクスチャードタイプのシリコンバッグが挿入されていました。20年経過しているので全体的に変色はしていますが、左右ともにシリコンバッグの破損はありませんでした。
術後1週間
術後1週間目の状態です。もともと乳腺が発達しているかたの場合には抜去しても極端に陥没することはありません。
術後1ヶ月
術後1ヶ月目の状態です。被膜内への浸出液の貯留もなく、経過良好です。
術後1ヶ月目の傷跡
術後1ヶ月目の傷の状態です。今回のモニターさまは傷の治りもよく、まだ1ヶ月目ですが、傷跡もあまり目立ちません。
今回行なった手術名
シリコンバッグ抜去(乳房下縁法)
通常価格 220,000円(税込)
モニター価格 110,000円(税込)
シリコンバッグ抜去のリスクと合併症
腫れ、内出血、痛み、浸出液の貯留、傷跡、感染など