疲れて見えたり老けた印象を与えたりする、目の下のクマや膨らみ。悩みを根本的に解消するには、「下眼瞼切開(かがんけんせっかい)」と「経結膜脱脂(けいけつまくだっし)」という2つの施術方法があります。
目元の状態や年齢などにより施術の選択肢が変わるため、自分がどの施術に適しているか慎重に検討することが大切です。
ここでは、下眼瞼切開と経結膜脱脂の内容や違い、それぞれのメリット・デメリットを解説します。
経結膜脱脂とは
経結膜脱脂は、目の下のクマ(主に黒クマ)や膨らみの原因となる眼窩脂肪を、結膜側(下まぶたの裏側)から取り除く施術方法です。
皮膚を切らないため表面に傷跡が残らないのが特徴で、腫れや痛みも比較的少ない傾向にあります。
メリットとデメリット
経結膜脱脂のメリットは傷が外から見えない点にあります。切らないくま取りといっても実際には結膜側を切開するので、腫れや内出血のダウンタイムは経結膜脱脂も下眼瞼切開も大きな違いはありません。
一方デメリットは、目の下のたるみには効果が期待できない点です。たるみは、皮膚の弾力低下や筋肉の衰えなど、さまざまな要因が複合的に絡み合って起こることが多く、眼窩脂肪の除去だけでは改善できない場合があります。
また、眼窩脂肪を取り除いても余分な皮膚がある状態では、たるみも残ったままです。そのため、脂肪を支えていた皮膚がさらに下がってたるみが強調されたり、脂肪がなくなり目の下に凹みができて、不自然な仕上がりになったりすることもあります。
皮膚を切除しないため、下眼瞼切開特有の合併症である外反は起きませんが、結膜側を切るので結膜浮腫など下眼瞼切開では起きにくい合併症があります。
脂肪を適量残してバランスを取る必要があるものの、根本的な改善にはならないので、たるみでもお悩みの方は注意が必要です。
経結膜脱脂をおすすめする人
目の下の脂肪が原因のクマや膨らみが気になる方、傷跡を残したくない、ダウンタイムを短くしたい方に適しているのが経結膜脱脂です。
経結膜脱脂をおすすめする人
- 目の下の膨らみが気になる
- 皮膚のたるみが少ない
- 20~30代ぐらいの人
加齢による皮膚のたるみが少ない20〜30代ほどの方は、主な原因が脂肪の突出であることが多く、経結膜脱脂で十分な効果を得られる可能性が高いでしょう。
年齢とともに目元の筋肉や皮膚が弱まり、目の下の脂肪が突出するだけでなく、皮膚自体もたるんでくる40代以上の方は、経結膜脱脂では効果を得られにくい可能性があります。
下眼瞼切開とは
下眼瞼切開は、目の下の皮膚を切開して脂肪を取り除くとともに余分な皮膚を切除し、たるみを改善する施術です。
目の下のたるんだ皮膚や脂肪を直接取り除いたり、必要に応じて脂肪を再配置(脂肪移動)します。これにより、取り除かれた皮膚や脂肪は元に戻ることがなく、効果が長期間持続します。
メリットとデメリット
下眼瞼切開のメリットは次の通りです。
- 皮膚のたるみも改善できる
- より自然で若々しい仕上がり
- 小じわの改善、皮膚のハリがでる
- 下垂した目元の組織を引き上げることができる
皮膚のたるみによるクマも改善できるだけでなく、クマの種類や程度によっては、より自然な目元を実現できます。たるみやクマ、膨らみが改善されることで、若々しく明るい印象を与えられるのです。
効果を期待できる下眼瞼切開ですが、皮膚を切開するため傷跡が残るリスクがあります。時間の経過とともに目立たなくなることも多いですが、完全に消えるわけではありません。
また腫れや内出血などが発生し、回復までに時間を要することもあります。個人差はありますが、腫れや内出血は1週間程度で落ち着くでしょう。
下眼瞼切開をおすすめする人
下眼瞼切開は眼窩脂肪の突出だけでなく、皮膚のたるみも原因となっているクマにも有効です。目の下の印象が大きく変わるため、若返りを目指す方にも適しているでしょう。
下眼瞼切開をおすすめする人
- クマや膨らみだけでなく、たるみも気になる人
- 持続的な効果を求める人
- ハリのある印象にしたい人
- 40代以上の人
経結膜脱脂と下眼瞼切開の比較
経結膜脱脂 | 下眼瞼切開 | |
対象 | 脂肪によるクマや膨らみ | 脂肪、皮膚のたるみ、筋肉の緩み |
切開 | 結膜を切開 | 目の下を切開 |
ダウンタイム | 1週間程度 | 1週間程度 |
効果 | 脂肪の除去 | 脂肪、皮膚のたるみの改善 |
傷跡 | 目立ちにくい(結膜側) | 目立つ可能性あり(下まぶたの縁) |
メリット | 傷跡が目立ちにくい | たるみも同時に改善できる、効果が長持ちする |
デメリット | たるみには効果が少ない | 傷跡が残る |
経過 | 加齢により、皮膚がたるむ 膨らみが再発する可能性がある |
きれいな状態を保てる |
それぞれメリット・デメリットはありますが、とくに40代以降でクマや膨らみに悩む方は下眼瞼切開が適しているでしょう。
経結膜脱脂は、目の下の眼窩脂肪を取り除く施術のため、皮膚や筋肉は引き上がりません。そのため、加齢とともに皮膚や目の周りの筋肉である眼輪筋(がんりんきん)がたるみ、きれいな状態を維持することが難しくなるのです。
下眼瞼切開は皮膚の切除し引き上げるほか、目元の状態によっては脂肪を移動させる場合もあります。目元全体のバランスを整えられるので、時間が経っても目元の不自然な変化が起きにくくなります。
たるみの少ないクマを改善するなら経結膜脱脂
皮膚のたるみが少なく、目の下の脂肪による膨らみが原因のクマでお悩みの場合は、経結膜脱脂がおすすめです。脂肪だけを適量除去できるため、目元のクマや影が改善され、すっきりとした印象に整えられます。
ダウンタイムも比較的短く表面に傷跡ができることもないため、すぐにお化粧をすることも可能です。抜糸も不要なため、何度もクリニックに足を運ぶ必要はありません。
目元の若返りを目指すなら下眼瞼切開
目の下のクマや膨らみのほか皮膚のたるみも気になる場合は、下眼瞼切開がおすすめです。より自然で若々しい仕上がりになります。
持続的な効果が期待できる
経結膜脱脂は脂肪を取り除くことで皮膚のハリが失われ、年齢とともにしわやたるみが目立つようになる可能性があります。しかし下眼瞼切開は余分な皮膚を切除するため、目の下および下まぶたのしわ・たるみ・クマの改善を長期間の持続効果が期待できるのです。
複数の悩みを一度に改善
目の下のたるみ・しわ・目袋など、複数の悩みを一度に解消できるのも下眼瞼切開の特徴です。
余分な皮膚や脂肪を適切に取り除き、同時に目の下の筋肉や組織を引き上げ、たるみの改善だけでなく、目の下のくぼみや膨らみも自然な形に整えられます。
疲れた印象や老けた印象を与える複数の要因が一度に解消され、若々しく生き生きとした目元を取り戻せるでしょう。
下眼瞼切開の施術方法
施術内容にもよりますが、施術にかかる時間は、およそ60〜90分ほど。施術の流れはクリニックによってやや異なりますが、当院では次のような流れで施術を行います。
- 問診とカウンセリング
- 洗顔
- デザイン
- 手術
- リカバリー
- 抜糸
切開ラインの長さは、たるみの度合いによって決まります。切開ラインが長いほど多くのたるみを取り除ける一方、傷跡が目立つ可能性があるため、しっかりとカウンセリングを行い最適なラインを決めましょう。
下眼瞼切開は目の下の状態などによって施術内容が異なります。たとえば目の下のたるみと膨らみがある場合は、下眼瞼切開と脱脂の施術。膨らみがなくたるみだけが気になるのであればの場合、皮膚のみを切除してたるみを改善。悩みや希望する仕上がりによって施術内容が変わります。
ダウンタイムと術後の過ごし方
下眼瞼切開のダウンタイムは、以下のようになります。
- 腫れは2~3日程度、1週間ほどで落ち着く
- 内出血が起きた場合は1週間程度で落ち着く
- 術後7日目に抜糸を行う
- 抜糸後メイクが可能
- 翌日より水洗いでの洗顔が可能
- ジムやサウナ、激しい運動は1週間ほど控える
当院では腫れや内出血の予防のため、術後、目の下にテープ固定を行いますが、テープは2~3日程度で外せます。
もし術後に痛みが強く出たり腫れが引かなかったりするなどの症状が見られた場合は、施術を受けたクリニックへ相談しましょう。
下眼瞼切開は実績豊富な美容クリニックがおすすめ
数多くの症例があるクリニックは、さまざまな目の下の状態や患者様の希望に合わせた最適な施術の計画を立てられます。
万が一のトラブルへの対応力も高く、安全な施術が期待できるでしょう。
一人ひとりの悩みに寄り添ったカウンセリング
患者様の目の状態や希望する仕上がりは一人ひとり異なります。カウンセリングでは、医師が丁寧に状態を診て最適な方法を提案するため、クリニック選びが大切です。
カウンセリングを通して医師との信頼関係を築ければ、安心して施術に臨めます。疑問に思うことをなんでも相談し、納得した上で受けましょう。
当院ではカウンセリングに時間をかけ、患者様の不安や心配をしっかり取り除き、施術を行っています。無料でカウンセリングを行っていますが、「カウンセリングは少し勇気がいる…」という方は、まずは無料メール相談でお気軽にご相談ください。
症例写真で仕上がりイメージを確認
同じような悩みを抱える方のBefore・Afterを見ることで、自分の場合はどのような変化が期待できるのか、より具体的にイメージできます。
また、症例写真から医師の技術力も確認できるので、自然な仕上がり具合や希望通りの形に近づけそうかなどの判断材料にもなります。
目の下の悩みはなぜ起こる?
疲れ顔に見られてしまう原因の一つが、目の下のクマやたるみ。目の下の悩みの原因は、年齢によってさまざまです。
加齢とともに目の下にクマができる原因
「年々クマが目立つようになった」「クマができて老けて見える」など、加齢とともにクマに悩む方は少なくありません。
年齢によるクマを黒クマと呼びますが、主な原因は次の2つです。
- 皮膚のたるみや筋力の低下
- 眼窩脂肪の突出による影
皮膚の弾力を保つコラーゲンやエラスチンが年齢を重ねるごとに減少。目の下の皮膚が薄くなり、たるみや凹凸が目立つようになることでクマとして見えます。
また、加齢によって目の周りの脂肪組織である眼窩脂肪が、支えとなる筋肉や靭帯の衰えにより前方へ押し出されます。これにより目の下に影ができ、黒クマのように見えるのです。
黒クマは若い方にも生じる場合があります。もともと頬骨が低く眼窩が深い骨格の方は目の下の影ができやすく、黒クマが目立ちやすいのです。頬骨が低いと、目の下から頬にかけてのラインがフラットになり、影ができやすくなります。さらに眼窩が深い場合、目の下の皮膚が陥没して見えるため、黒クマが目立ちやすくなるのです。
目の下の膨らみができる原因
目の下の膨らみができる主な原因は2つあります。
- 皮膚のたるみ
- 眼輪筋などの筋肉の衰え
「皮膚のたるみ」は、皮膚の弾力性を保つ役割のあるコラーゲンやエラスチンの減少が原因です。加齢や紫外線ダメージによって減少し、皮膚が薄くなりたるみやすくなります。眼窩脂肪を支えられなくなった皮膚が前に押し出され、膨らみとなるのです。
また「眼輪筋などの筋肉の衰え」は、眼輪筋をはじめとした目の周りの筋肉が衰え、脂肪を支えきれなくなることです。そもそも眼輪筋は目を開閉する役割を持つ筋肉で、目の周りをドーナツ状に取り囲んでいます。この筋肉が目の下の脂肪「眼窩脂肪」を支える役目も果たしているため、眼輪筋が弱まると脂肪を支えられなくなるのです。
そのほか、長時間のスマホやパソコンの使用、睡眠不足などの目の酷使は眼輪筋の疲労を招き、衰えを早める場合もあります。
セルフケアだと悪化する場合もある
目の下の膨らみなどの改善方法の一つにセルフケアがあります。手軽にできるセルフケアがさまざまな媒体で紹介されていますが、自分で行う場合、やり方を間違えるとほかの箇所にしわができてしまうことも。
またセルフケアの場合、根本的な改善をできない可能性が高いので、目の下の膨らみやクマを綺麗にするなら、美容クリニックでの施術が適しているでしょう。
まずは無料カウンセリングで安心の相談を
目の下の膨らみやクマなどを改善する場合、美容クリニックの検討がおすすめです。。美容クリニックで施術を行えば、「効果が長期間持続する」「目元の若返りが期待できる」など、根本的な改善につながるでしょう。
クリニックを選ぶ際のポイントは、不安や疑問が解消できるカウンセリングを受けられるかどうかです。医師が目元の状態を丁寧に診断し、最適な治療方法やリスクについて説明するクリニックであれば、安心して臨めるでしょう。
当院では無料カウンセリングを実施しています。施術に関する不安や疑問点、術後の経過など、なんでもお気軽にご相談ください。経験豊富な医師が、わかりやすく丁寧にご説明いたします。
【この記事の監修者情報】 現役美容ナース ・看護師歴24年 略歴 資格 コメント |