アートメイク失敗の事例と修正方法 |看護師に聞くほんとにあった失敗例とは

アートメイク失敗の事例と修正方法 |看護師に聞くほんとにあった失敗例とは

アートメイクには次のような失敗が見られる場合があります。

  • 仕上がりが想像と違う
  • 色素を入れ過ぎた
  • 形が左右非対称 など

失敗しないための予防策を知ることで、想像と違った仕上がりを回避できます。

ここではアートメイクの失敗例、その修正方法および予防策についてご紹介します。また、他院で失敗した場合の対応・炎症や感染症が見られた場合の対応も解説しています。

仕上がりが想像と違った!

デザイン・色などが想像と実際の仕上がりで違った、ということがあります。
デザインの失敗の多くは、患者様と施術者との間で想像するデザインに違いがあることです。これはカウンセリングの際、ご自身のなりたいデザインを施術者と共有できていなかったために、起きる場合が多く見られます。

一方で色は、濃くなったことで仕上がりが想像と違ったと感じられます。しかしながら、施術直後は色が濃くなるものです。施術から1週間ほどで色がなじみ、自然な仕上がりになります。
そのため施術後、色が濃いから失敗した、とすぐに判断するのは待ちましょう。最低でも1週間ほど様子を見て、色が落ち着いてくるのを待つことが大切です。

修正方法は?

自分がどのようになりたいかで修正方法は異なります。また、アートメイクの色素の状態によっても方法は違います。

失敗しないための予防策

カウンセリングでなりたいデザイン・色をしっかり伝えましょう。イメージに近い芸能人などの写真を用意することも予防法の一つです。

しかし、お顔のパーツや筋肉の可動などは個人差があります。患者様のお顔のパーツのバランスなどにより、想像と異なる仕上がりになる場合もありますので、デザインをする際にお顔のバランスの比率を測定してもらうことが大切です。計測した比率からご自身に似合うデザインなどを施術者と一緒に見つけましょう。

眉アートメイクの左右が非対称で不自然になった

表情によって眉の見え方が違います。真顔と笑顔では使われる筋肉が異なるので、眉の見え方も変わり左右非対称になります。

修正方法は?

そもそもお顔は左右非対称であるため、100%対称にすることはできません。そのため、お顔のバランスをとり直して比率を測り直し、眉のバランスを整えます。
このとき、色素を足しながら細い眉から太い眉に調整することは可能ですが、太い眉から細い眉にはできません。アートメイクを入れた直後や色が濃く残っている場合は、色が薄くなるのを待ってから修正に入ります。

骨格や筋肉の可動などによる左右差が強い方は、左右対称に難しいのでお顔のバランスを確認しながら眉を整えます。

失敗しないための予防策

カウンセリングでお顔のバランスと比率を測るクリニックを選ぶことが大切です。骨格や筋肉などは一人ひとり異なりますので、ご自身に似合った眉を見つけてくれるクリニックだと、自然な仕上がりになります。

そして、太い眉から細い眉にすることはできないため、アートメイクを受ける際は太く色素を入れないようにしてください。

眉アートメイクがベタ塗りみたいで気に入らない

アートメイク失敗の事例と修正方法 |看護師に聞くほんとにあった失敗例とは
海苔が張りついたようなベタっとした眉は、数年前まで主流であった2D技法によって起こる場合が多くあります。2Dは機械を使って塗りつぶしたように色をつけていきますが、立体感のない濃いめの眉になります。

現在では、手彫りの3Dや4D、ヘアーストロークが主流です。ベタ塗りに仕上がることはほとんどなく、立体感のある自然な眉を作ります。

3Dは眉毛を1本1本手彫りで足していく技法で、自眉のように仕上げてすっぴんでもナチュラルな眉にみせます。一方で4Dは、2Dと3Dが合わさった技法です。グラデーションをつけて立体感を出しますので、アイブロウをしたような仕上がりになります。

※当院での眉アートメイクの技法については、こちらで詳しく説明しています。
医療アートメイク

修正方法は?

パウダーで補色をして色を変えたり、毛並みを書いたりして立体感を出します。

失敗しないための予防策

施術を受けるクリニックがどのような技法でアートメイクをするのか、ホームページやInstagramなどで画像を確認することが大切です。

経年劣化で一部分が色落ち、色が薄くなってしまった

医療アートメイクは一生残るものではなく、時間がたてば消えていきます。眉の場合は技法によりますが、半年〜1年半ほどです。
一方でリップやアイラインは2〜3年ほど色持ちします。眉に比べてリップ・アイラインは皮膚が薄く、持続期間が眉より長めです。
また、ターンオーバーや紫外線のダメージから色落ちになるケースもあります。

修正方法は?

なりたい眉によって修正方法は異なりますが、補色してグラデーションを作ります。経年劣化したアートメイクは色がしっかり抜けていることが多いため、修正・形の変更をおこないやすいです。

失敗しないための予防策

ターンオーバー周期を早めないことが大切です。ターンオーバーは古い皮膚が新しい肌に生まれ変わることです。古い皮膚が落ちるとき、アートメイクの色素も一緒に剥がれ落ちてしまいます。
とくに施術後直後〜1か月程度は、色素を定着させるための大切な期間です。ターンオーバー周期を早めるピーリングや基礎代謝を高める運動などをお控えください。

他院で失敗。別のクリニックで修正はしてもらえる?

他院で失敗したアートメイクについては、別クリニックでの修正が可能です。
失敗した修正の費用については、クリニックによって設定が異なります。修正の方が技術的な難易度が上がるほか、クオリティも求められるため費用は高い傾向にあります。

失敗したらどこに相談すればいい?

施術を受けたクリニックにご相談ください。もし、そのクリニックで相談したくはない場合、ほかのクリニックでカウンセリングを受けられます。

失敗の施術については、色を薄いから濃くすることは可能です。また、細い形から太い形にもできます。しかし、濃い色から薄くしたり太い形から細くしたりすることはできません。
失敗のリスクを減らすために、最初から過剰に色素を入れ過ぎないようにしてください。少なめに色素を入れることで、あとから修正ができる場合があるためです。

炎症や感染などの合併症が起きてしまった

経過観察をし、施術した部位がじゅくじゅくしてきた・痛みを伴う炎症が起きた際は施術を受けたクリニックにご連絡ください。

医療クリニックは、トラブルが起きた場合の薬を所持しているため対応が可能です。炎症などが起きて他院に受診すると、経過が分からなくなってしまいます。そのため、施術を受けたクリニックに相談することが大切です。

ただし、クリニックでも症状によっては手が出せない場合があります。たとえば目元の炎症が強い場合、クリニックでは目に特化した薬を多く所持していないので、眼科での受診をご案内します。このように、症状に適した病院を紹介しますのでご安心ください。

具体例

施術を受ける部位ごとで起こる炎症や感染などは異なります。

・眉
眉はほとんどトラブルがありません。技法によりますが、4Dの場合はかさぶたが少しできることがあります。

・リップ
かさぶたや唇の腫れ、口唇ヘルペスなど

・アイライン
かさぶた・腫れ・ドライアイ・角膜炎・角膜損傷・結膜浮腫など

リップ・アイラインのかさぶたは、アートメイクの施術でできるものです。大抵は、1週間前後で自然にかさぶたが剥がれ落ちていきます。腫れについてもリップ・アイラインは起こる部位ですが、こちらも時間とともに落ち着きます。

しかし、1週間を過ぎても腫れ・赤み・痛みといった症状が続く場合は、施術を受けたクリニックにご相談ください。

※アートメイクのリスクにつきましては、こちらで詳しく解説しています。
アートメイクのデメリットについて徹底解説!失敗しない施術のコツ

失敗しないための予防策

施術後に処方される抗生物質の薬の用法・用量を守ることが大切です。正しくアフターケアをされると、炎症や感染などのトラブルはほとんど起きません。

実際、施術をした1万数件のうち、炎症などのトラブルが起きたのは1件のみです。それほど極めて稀なことなので、クリニックから指導されるアフターケアの注意は必ず守ってください。

アレルギー反応らしきトラブルが起きてしまった

アートメイク失敗の事例と修正方法 |看護師に聞くほんとにあった失敗例とは
アレルギー反応らしきトラブルが起きた際も、施術を受けたクリニックにご相談ください。
アートメイクで考えられるアレルギーは金属アレルギーです。アートメイクに使用される顔料には極微量の金属が含まれています。重度の金属アレルギーの方は反応することがあります。

具体例

最近では天然色素を使用してアートメイクを実施するクリニックも増えています。植物アレルギーの方は天然色素に反応する可能性が高いです。

パッチテストの重要性について

金属アレルギーのある方の場合、施術を受ける前にパッチテストを実施します。そのため、施術後にアレルギー反応が見られることはほとんどありません。しかし、パッチテストはすべての患者様が受けるのではなく、アレルギーの申告をされた方がパッチテストを受けられます。

アレルギーの方はもちろんですが、アレルギーかどうか心配な方は必ずパッチテストを受けてください。

またアレルギーのある方・心配な方で以前、別のクリニックで施術を受けて問題なかったとしてもテストを受けましょう。クリニックごとで使用する顔料が異なりますので、アレルギー反応を起こす可能性があります。

医療アートメイクと全然違う「タトゥー」に要注意

アートメイクは診療科ではなく、トラブルの対応が可能な医療クリニックで施術を受けることが大切です。

最近では医療クリニックではないところで、タトゥーと謳いながら施術をおこなうケースが増えています。医療クリニックとは切り離されたタトゥーのみの紹介だと、無資格者が施術をする場合がほとんどです。

麻酔を使用せずに施術したり、医薬品ではない軟膏を処方したりするなどの対応がおこなわれているケースが多くみられます。

悪質な施術所では、適切な痛みのケアができないため、痛みが強く出る場合があります。「色素を入れるのは浅い部分なので痛みはない」と宣伝することも多いのですが、実際は医療の資格を持たず、麻酔が使えないため、痛みは強い場合がほとんどでしょう。

多くの場合、専属の医師が存在しないので、術後の経過についての責任が取れません。

一方で、医療クリニックでは、医師指示のもとで看護師など有資格者が施術を実施するので、適切なアフターケアの対応が可能です。

そのため、「医療アートメイク」「メディカルアートメイク」ときちんと提唱しているクリニックで安全な施術を受けてください。

アートメイクで失敗しないために!クリニック選びは慎重におこないましょう

アートメイクで失敗しないために、カウンセリングに時間をかけ、十分なアフターケアをおこなうクリニックを選ぶことが大切です。

医療ではない施術所は、万が一トラブルが起きても責任が取れません。一方で医療クリニック・メディカルクリニックと名乗れるところは、アフターケアの環境が十分に整っていますので、トラブルが起きても責任をもって対応してくれます。

デザイン・色・左右非対称だけでなく、施術後の失敗を防ぐために、しっかりとしたカウンセリングをおこなっている医療クリニックでの施術をおすすめします。

【この記事の監修者情報】

ロダムアートメイクアカデミー日本校代表講師

平松 あい

・看護師歴24年
・美容看護師歴18年
・アートメイク施術歴13年
・アートメイク講師歴2年

略歴
2004年 美容医療看護師へ転職
老舗美容クリニックで美容看護業務に従事
2009年 アートメイクを学ぶ
2018年 浦和第一美容クリニック開業・立ち上げ関与
2018年 更なるアートメイク技術を求め渡韓
EMBO技法・パウダー技法などの技術を習得
2019年 INTERNATIONAL BODY ARTCONTESTに出場
GRANDPRIX受賞
2020年 Rodam artmakeup academy実技講師
2022年 浦和第一美容クリニックとRodam artmakeup academyが提携し、日本校代表講師となる

・2018年~現在まで延べ約10,000人の患者さまの施術に関わる
・毎月のアートメイク施術件数 平均200件
・ロダムアートメイクアカデミー日本校代表講師として技術指導に従事、スクール生を輩出

資格
看護師

コメント
患者さまの不安や悩みを取り除き、不利益のないようカウンセリングに力を入れています

 

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